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2007年03月29日 木曜日

脳の中身が見えてきた(利根川進、伊藤正男、甘利俊一)

 自分の”おつむ”(おむつじゃないょ)に不安を持ってからというもの、最近すっかり脳科学にはまっています。

 過去の膨大な記憶も、あれこれ考えるのも、全てはこの脳のおかげ。
 果たしてその仕組みはどこまでわかっているのか。そんな疑問を持った時この本に出会いました。

 とにかく著者がすごい。日本で唯一ノーベル生理医学賞を受賞した利根川先生。そして日本を代表する脳の神経生理学者である伊藤先生。
 あまりにも豪華な顔触れです。

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 伊藤先生は、主に小脳の脳の回路の研究について書いていました。
 興奮性とか抑制性の神経細胞による回路図をいろいろと説明していたのですが、難しくてあまりよくわかりませんでした(ーー;)。

 利根川先生は、最新の実験手法によって解明されてきた記憶のメカニズムについて、とても分かりやすく解説していました。

 記憶に関係する脳の海馬の領域にはCA1とCA3があり、それぞれ「記憶の獲得」と「記憶の想起」にかかわっていることがわかっています。

 「記憶の獲得」は、そのものズバリ記憶を記銘する能力です。
 一方、「記憶の想起」は、記憶したことを思い出す能力です。
 年をとるとだんだん記憶力が悪くなってきますが、実際は新しく記憶する能力はあまり落ちず、記憶を思い出す(想起する)能力が落ちてゆくのだそうです。
 覚えているはずの名前が思い出せなくても、「最初に”も”がつく人」と言えば「あ、モカモカね!」と思い出せるあれですね。

 記憶が脳内で作られる時、これらの領域(CA1やCA3)の神経細胞の伝達が強まることがわかっています。
 伝達が強まるということは、つまり神経と神経の間にある”シナプス”での伝達が強まるということです。
 このように、ある神経細胞のネットワーク(パターン)が強化されることによって「記憶」が形成されると考えられました。

 利根川先生らは、CA1細胞またはCA3細胞のみで、”シナプス”の受容体が欠損したマウスを作り出し(これがすごい!)、それらのマウスでは見事に期待される種類(それぞれ「記憶の獲得」と「記憶の想起」)の記憶が無くなってしまうことを証明したのです。
 
 ほんとにすごい研究です。
 あまりにもエレガント。素晴らしいです。
 通勤電車の中で読んでいたのですが、読み終えた時、立ち上がって拍手したくなるような内容でした。

 最先端の研究を分かりやすく書いた、とても刺激的な一冊でした。

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[番外 > 読書 ]: 2007年03月29日 22:01:メインに戻る pagetop

コメント

脳みそ話は、面白いですよね^^
私が読んでる「脳みそのほんとうの使い方」を読むと、
多くを思い出せる人間の方が、柔らかい考え方の出来る人間になるそうで、
読んだ時はかなりナルホド〜と思いました♪

シナプス〜伝達細胞のニューロンが、海馬の中の最近の記憶だけでなく、
さらに多くの、脳内に深く眠っている記憶にまで繋がる事が出来れば、
いろんな考えを脳内で昇華できるみたいですね♪
ニューロンって...困った事に同じ記憶とばかり繋がり易いんだって。

投稿者 goltama : 2007年03月30日 02:09

>goltamaさま
 コメントありがとー♪
 そうそう、脳内に深く眠っている記憶をいかに呼び起こすかはとても大切ですよね。
 そういう能力を身に付けたいです。
 茶でも飲みながら昔話をするものいいかもしれませんね(^_^)

投稿者 モカ : 2007年03月30日 15:14

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