レバ刺しはどうしてダメなの?お肉やホルモンは?E型肝炎をふまえて再検証

レバ刺し

2012年7月1日に牛のレバ刺しが禁止されてから約3年。
ついに「豚のレバ刺しや生肉」も今月12日から禁止されることになりました。エルモ大泣き
(参照元:豚レバー禁止は12日から 違反者に罰金も 厚労省新基準 – 産経ニュース)(別ウインドー)

実はこのブログでずっと閲覧数トップなのが、2013年に書いた「どうして豚肉や鶏肉はだめなのに牛肉は生でも食べられるの?」(同一ウインドー)という記事です。
しかしここではほぼ「食中毒菌」についてしか書かなかったため、今回は「E型肝炎ウイルス」のことも加えて、続編を書きたいと思います。

注意:個人的に調べてまとめたものであり、責任はとりかねます。実際に何を食べるかは各自のご判断で決めて下さい。なにとぞよろしくお願いいたします。ぺこぺこ

動物や肉の種類、病原体を分けて

まず「生肉」の危険性や安全性を知るには

1)動物の種類「牛、鶏、豚、鹿、イノシシ」
2)肉の種類「精肉、肝臓、その他の臓器」
3)病原体の種類「細菌、ウイルス、寄生虫」
4)肉の部位「表面、内部」
5)肉の形態「精肉、挽肉、形成肉、脂肪注入肉」

などに分けて考えることが、大切だとわかりました。
うーー、面倒くさいけどよかったらお付き合い下さいガチャピンムック

そしていろいろ調べて「恐らくこうだろう」とまとめたのがこの一覧です。
(すみません、間違っている箇所があるかもしれません)

一覧

実際にはよくわからないこともあるようなのですが、レバ刺しが絶対ダメなことはすぐにわかりましたぐったり
それは

1)腸と肝臓がつながっているため、病原菌が腸から肝臓に流れ込む
2)肝臓は「肝炎ウイルス」の感染がある

という二つの大きな理由があるからなのです。

では一つ一つみてゆきましょう。
長いです汗4

肝臓×細菌

胆管

まずは肝臓内の細菌です。
レバ刺し、サイコーですよね、でも残念ながらアウトなんですエルモ大泣き

肝臓は胆管で腸とつながっています。
これは肝臓で作った「胆汁」を腸に送るためです。

腸には大腸菌などの細菌がうようよしています汗
でも動物が健康に生きている間は胆管内を胆汁が流れているので、腸の細菌が肝臓に侵入出来ません

しかし動物が屠殺されると胆汁が流れなくなり、腸内にいる病原菌が肝臓に入ってきてしまうのですひぇ
これはもう、他のお肉にはない肝臓の構造的な問題なのですね(涙)
(ちなみに生きているうちでも「胆石」などで胆管がふさがれると細菌が流入するそうです)

そのため生で肝臓を食べるときは、常に食中毒菌がいる可能性があります。
特に怖いのは腸管出血性大腸菌の「O157」。
かつて死者が出て大騒ぎになりました。

なんとかならないか(それでもレバ刺し食べたい人向け“アドバンスコース”)

でもやはり美味しいレバ刺しは食べたいもの。

この「細菌の流入」をふせぐために屠殺時に胆管をしばることも検討されたのですが、効果は限定的のようです。
(参照元:薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会のレポート)(別ウインドー)

また、レバーに放射線(γ線)を照射して細菌を殺す研究もなされているようです。
「放射線」というと拒否反応を起こす人も少なくないかもしれません。
でも放射線を肉に照射しても、最近は死にますが肉に放射能が残ることはありません。

しかし肉が変性することは避けられず、それによって臭いが出たり有害物質が出来る可能性は指摘されています。
(参照元:レバ刺しは放射線照射で食べられません)(別ウインドー)
(参照元:また食べれる日が来る?「牛レバ刺し」殺菌に「放射線」厚労省が研究開始 : ギズモード・ジャパン)(別ウインドー)

肝臓×ウイルス(E型肝炎)

次は肝臓内の「E型肝炎ウイルス」です。
これを調べて、私はレバ刺しは完全に諦めましたぐったり

ウイルスは細菌と違って

・自分で増殖する力がない
・血中や細胞の中にも入り込んで感染しちゃう

という特徴があります回る少女

「E型肝炎ウイルス」は口から体内に入り、その名の通り肝臓に感染します。
その感染した肝臓を食べると、食べた方も「E型肝炎ウイルス」をもらってしまう可能性があるわけですね。

「E型肝炎ウイルス」が問題になるのは、どうやら主に「豚や鹿」で、「牛や鶏」はあまり感染源にならないようです。(不確かですが)

「E型肝炎ウイルス」遺伝子が検出されたのは豚、ラット、それにシカだけである

(引用:①)

そして調べた結果、日本の豚は肝臓に関してはかなり危険なことがわかりました。

市販の豚レバーを調べた結果、1.9%から「E型肝炎ウイルス」遺伝子が検出。
感染による致死率は1〜2%

(引用:①)
豚のレバ刺しがいかに怖いかがわかりますエルモブルー

豚以外では

シカ、イノシシ、ウマ、ラット、マングースから「E型肝炎ウイルス」遺伝子が検出され、その他にも牛、山羊、ネコなど多種動物からのHEV抗体検出の報告があり、感染を確認する取組みが進められています。

(引用:②)
とありました。
この中で食べる可能性があるのは「シカ、イノシシ、ウマ」でしょう。(マングース?)
これだと「馬のレバ刺し」もアウトですね。
普通の馬刺しがどうなるか気になります。

レバ刺しのまとめ

以上、肝臓は基本的に病原菌に汚染されている可能性があり、さらに豚や鹿、イノシシ、ウマでは「E型肝炎ウイルス」の感染の危険があることがわかりました。

精肉×細菌

お肉と細菌はどうでしょう。

普通のお肉(精肉)は生きている間はもちろん内部にも外部にも細菌はいません。
しかし屠殺時に表面に病原菌が付着することがあるのです。
そのため細菌に関しては表面を焼いたりトリミングすれば大丈夫と言うことになりそうです。
(ウイルスについては次に説明します)

しかし「鶏肉」は中までよく火を通すように言われています。
モモ肉などは構造が入り組んでいるので、奥の方まで汚染されてしまうのでしょうか。
逆にササミのように入り組んでいないブロック状のお肉では表面だけ加熱すれば大丈夫なのかもしれません。

精肉×ウイルス

お肉の中にウイルスはいるのでしょうか。

「E型肝炎ウイルス」が感染するのは肝臓であり、基本的にはお肉や他の臓器には感染しないようです。

決まった臓器にだけ感染するウイルスがあり、肝炎ウイルスはその代表格です。
他臓器の細胞表面には肝炎ウイルスに対する受容体がないのでウイルスは付着できず、従って感染が起こりません。

(引用:⑤)

さらに豚肉は

ブタは生まれてから6ヶ月まで豚舎で肥育され、その時点で食肉として市場に供給されます。
生後6ヶ月に出荷される時には、ほぼ100%のブタがE型肝炎ウイルス感染を経験し、既に治癒してHEV抗体を持っています。
したがって食肉となり、市場に供給されるブタにはE型肝炎ウイルスを持っているものは殆どいませんから安心です。

(引用:③)
という情報がありました。

つまり「牛、豚、鶏の精肉」では「E型肝炎ウイルス」の危険性は低いようです。

しかし「鹿とイノシシ」は違います。
精肉から「E型肝炎ウイルス」に感染した事例があるので危険です。

2003年4月に兵庫県で冷凍シカ肉を喫食した2家族7名中4名が発症し、急性期の血清からHEV-IgM抗体及びHEV遺伝子が検出され、冷凍シカ肉残品から検出されたHEVの遺伝子配列が患者から検出されたHEV遺伝子のものとほぼ一致したことが報告され、これが食品の摂食とE型肝炎の発症との直接的な関係が確認された世界初の事例になりました(Lancet 2003; 362: 371-3)。

更には、2005年3月に福岡県で野生イノシシ肉を喫食した11名中1名が発症し、イノシシ肉残品からHEVが検出され、患者血清から検出されたHEVの遺伝子配列と一致した事例もあります(Emerging Infectious Diseases 2005; 11: 1958-60)。

(引用:②)

シカ肉中から検出されたHEVの濃度が高いため、処理の過程で肝臓から汚染されたのではなく、シカ肉内に残留する血液中に含まれていたHEVが感染源となった可能性が高いと考えられます

(引用:②)

実は以前私は鹿刺しを山ほど食べたことがあります。
うーーくわばらくわばら。
(参照:絶品「鹿肉刺し身」で焼酎頂きました)(別ウインドー)

肝臓以外の臓器×細菌

いわゆる「ホルモン」ですね。

腸管の内部とは

これも基本的に精肉と同じで、表面には細菌はいますが、内部にはいないと考えられます。
ここで注意していただきたいのは、図のように「内部」と言うのは「組織内」のことで、腸の内腔などは「表面」になります。
マルチョウなどは腸管内に細菌がいるのでよく内部まで焼かないと怖いです。
好きなんですけど。

肝臓以外の臓器×ウイルス

基本的に「E型肝炎ウイルス」が感染するのは肝臓なので、それ以外の臓器は大丈夫のはずなのですが。

「E型肝炎ウイルス」はブタの腸でも増殖するので、肝臓以外の内臓にも感染性がある可能性があります

(引用:④)
とあるので、豚や鹿ではホルモンもしっかり中まで加熱しないといけないようです。

挽肉、形成肉、脂肪注入肉

ハンバーグ

これらは表面の細菌が中まで入り込んでしまっているので、中までよく加熱しないといけません。

以前ハンバーグの「レア」を出す店があったので店員さんに聞いたところ、牛肉の表面をトリミングして内部だけ挽肉用に使っているので大丈夫とのことでした。

参考:CNN.co.jp : 店頭の牛ひき肉「全てに病原菌」 米消費者情報誌が調査 – (1/2)(別ウインドー)

寄生虫、E型肝炎ウイルス以外

寄生虫なのですが、よくわかりませんでした。
衛生状態がよくなっている日本ではあまり心配ないという情報もありましたが。

なお、最初に書いたように「E型肝炎ウイルス」以外のウイルスについては今回は考慮していません。

まとめ

いろいろ調べて、感じたのは

・レバ刺しは美味しいけどダメ!
・まだ科学的にもよくわからないことがある

などでした。

ここまでお読み頂き、ほんとにありがとうございましたぺこぺこ

1)IDWR:感染症の話 E型肝炎(別ウインドー)
2)E型肝炎ウイルスの感染事例・E型肝炎Q&A(厚労省)(別ウインドー)
3)肝炎ウイルス十話(特殊免疫研究所)(別ウインドー)
4)続続肝炎ウイルス十話(特殊免疫研究所)(別ウインドー)
5)肝炎ウイルス十話(特殊免疫研究所)(別ウインドー)

   

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