すっかり酔っぱらってしまったので、市電に乗って一度ホテルに戻ったところ、不覚にもそのまま寝込んでしまい、目覚めたのは夜の7時過ぎ。8時にレストランの予約をしているので、危ないところでした。しかい今は日本時間では真夜中の3時。眠くて頭の中がゴーゴー言っていました。
ホテルの前にいたタクシーに乗って再びアルファマへ。昼間予約したお店「A BAIUCA」店内はすでに超満員で、外に人があふれていました(1)。
店内に入ると、満員の座席の中の最前列に私たちの席がとってあり、なんと演奏者の真ん前、かぶりつきで聴くことが出来ました。
席に座ると、ほどなく前にいた4人の男性によって演奏が開始(2)。その瞬間、ぼけていた頭脳が叩き起こされました。
洋梨のような形をしたポルトガルギターの12本の鉄弦から奏でられるシャラランという切ない旋律を、クラシックギターの柔らかい音が優しく包み込み、すばらしいアンサンブルがお店一杯に響き始めたのです。

ファド(Fado)はリスボンの下町で歌い継がれてきた庶民の民謡音楽で、「運命、宿命」という意味を持っています。
このお店は、地元の人達が普段着で集まるファド酒場で、誰かが歌い終わると、次に他の人がさっと立ち上がって歌い出すということを繰り返し、一晩で30人が歌うのだそうです。
中でも白髪の初老の女性の歌は圧巻でした。背筋を伸ばし、体の底から絞り出すような歌声は、人生の悲哀がこもり、聴く者の心を強く揺さぶるのでした(7)。
また、合いの手を入れるように、他の客やウエイターなどが歌の掛け合いをするところも聞きごたえがありました(6)。こんなお店が家の近くにあったら、さぞかし幸せなことでしょう。
私の隣の席は、オランダからやってきて、ファドの絵を描くためにこちらに滞在しているという素敵な芸術家のカップルでした(4)。[彼らのHP]
私はというと、時差と寝不足による体調不良で体がガタガタで、せっかくのお料理もほとんど口に入らず、ビールとスープを頂くのがやっとでした(5)。


8時から聴き始めたのですが、あまりにも眠かったため、10時過ぎにはホテルに戻ることにしました。是非今度また行きたいお店です。
しかし、お店からホテルに戻るのは大変でした。ホテルがある場所はリスボンでも治安の悪い地域のうえに、交通手段
がありません。必死に早足で歩いて大通りまで出たまでは良かったのですが、タクシーがなかなかつかまりません。
暗くて人通りが全く無い大通りでタクシーを探していた時はほんとに恐かったです。
しかし、何とかタクシーを捕まえることが出来、無事ホテルに戻ったのでした。
部屋から見えるライトアップされた「サン・ジョルジェ城」と満月がとてもきれいでした。