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竹富島、石垣島旅行記
カビラ湾
木陰で人の観察
私だけのビーチ
きれいな海

 グラスボートの所要時間はちょうど30分。砂浜に戻るとまた一人になってしまいました。さてどうしようか。次のバスまでには二時間近くあります。

 そこで川平湾を一望できる高台に登ってみました。ガイドブックやポスターなどの写真で必ず使われる場所です。行ってみると確かにガイドブック通りのすばらしい景色が広がっていました。美しい海、青い空、白い砂浜。もちろんとても良かったのですが、かと言って、心を揺さぶるほどではなかったというのが実感でした。
 まあ、とにかく写真を数枚撮り、展望台からさらに少し登ったところにある木陰に腰を下ろしてポカリスエットを飲みながらのんびりすることにしました。とにかく時間はたくさんあるのです。
 座ってぼーっとしていると、観光スポットだけあって、ひっきりなしに人がやってきます。アベック、家族連れ、団体客などなど。そしてそのすべての人たちが、わいわいと話をしながらやってきて、記念写真を撮って、すぐにその場を去っていってしまうのでした。中には携帯電話で通話している人もいました。

 数多くのそうした人々を見送っているうちに、人を見ているのにも飽きてきたため、少し移動してみることにしました。面白いことに、ガイドブックに書かれているスポットをはずれると、ほとんど全く人がいなくなってしまうのでした。
 静かな林の中を、海を眺めながら歩いていると、とても小さいのですが全体が木陰になった無人の白い砂浜を見つけました。回り込んでみるとなんとか砂浜まで降りることが出来、ちょうどおあつらえ向きに使わなくなったボートがあり、そこに腰掛けることが出来ました。
 座ると、目の前にはキラキラと輝く澄み切った海が広がり、波の打ち寄せる音が時折静かに聞こえてくる以外は、ほとんど何も聞こえてきませんでした。風は心地よく肌を撫で、暑くもなく寒くもなく、快適そのもの。海の上には蝶がひらひらと音もなく舞い、足下ではやどかりなどの小さな生き物たちがかさこそとかすかな音をたてながら、動き回っていました。
 そこでしばらく何も考えずに海をただただ眺めていると、心の底からリラックスすることが出来、すべてのストレスやこころのわだかまりが溶けて、澄み切った海の水で洗い流されるような気持ちになったのでした。

 ここではじめて石垣島まで来たという実感がわき、まさに私が求めていたのはこのリラックス感と開放感だったのだとわかりました。この砂浜で過ごした約一時間は今回の旅行の中でももっとも心地よく、生涯忘れ得ないものになると思います。
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